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コスタリカ紀行
旅行先 : コスタリカ
 時期 : 2006.2
映画「ジュラシック・パーク」の撮影をした所だというので、行ってみることにしました。ジャングルを想像していたのですが、実は、よく手入れされた庭園。ちょっとガッカリでしたが、それなりに面白い経験もありました。

1)モンテベルデ保護区
2月7日成田発、マイアミで1泊して、サンホセから車に乗りついで、目的地のモンテヴェルデ保護区に着いたのは2月8日の夕方。翌朝早く、火の鳥のモデルといわれる、幻の鳥「ケッツアル」を探しに出かける。といっても、ケッツアルの森は、アメリカから移住した清教徒の私有地。入場料を払っての、トレイル散策である。ケッツアルは、トレイルの入口付近に居た。此処にケッツアルが好む木が植えてあるらしい。でも非常に高い木なので、下からは、望遠鏡でしか見えない。観光案内には、綺麗な鳥の写真が出ているが、木陰の中の鳥は、そこまでの美しさはない。チョットガッカリである。
午前中の熱帯雲霧林の散策では、寄生植物の多さに目を奪われる。鬱蒼とした密林では、光を求めて、植物は上へ上へと伸びてゆく。しかし上に伸びてゆく能力のない植物は、上に伸びてゆく木に寄生する。 寄生植物の極め付きは、絞め殺しの木。大木の樹上で発芽したつる性の植物は、下に気根を下ろし始める。気根は大木を巻きながら、何十メートル下の土に根を下ろすと、急速に成長をはじめ、大木を覆って行く。絞め殺しの木に、光を覆われた大木は、やがて枯れ、絞め殺しの木だけが生き残る。中国では、この絞め殺しの木のことを、金持ちの老人に絡みつく若い娘という。絡み付いて、精を吸い取り、やがては本体を乗っ取る状態が、よく似ているからであろう。 でも若い娘に絡みつかれて、死ぬのなら、それも本望かも。
午後は、熱帯雨林の谷に架かるつり橋をわたりながら、木々を上から観察する。つり橋は10以上あっただろうか。熱帯雨林の木々が競合しながら、上に伸びてゆく様子がわかって面白い。
コスタリカは火山国で地震国。カリブ海と太平洋に挟まれた、中央高地を持つ地形は、日本海と太平洋に挟まれた中央高地を持つ日本と、どこか似ている。冬の北陸には、日本海から来る冷たい風が、中央高地にぶつかって、雪がふる。コスタリカ東部では、カリブ海の湿った空気が、中央高地にぶつかって、熱帯雨林を作る雨を降らせる。その反対の西側は、比較的乾燥している。コスタリカは大陸につながっているが、大陸性気候ではない。東西に海を持つ島国といったほうがいい。そして、カリブ海から、太平洋に向かって、風が流れてゆく。モンテヴェルデはその風の通路らしい。密林の谷を吹き抜ける風音は、木霊して、まさに嵐のよう。でも外にでてみると、音ほどではない。モンテベルデには2泊したが、2晩とも、嵐を思わせる風音が子守唄になった。

2)アレナル火山とタバコン温泉
火山があるところには温泉がある。タバコン温泉は、そんな温泉の流れている川。その川の周りに、熱帯植物を植えて、綺麗なムードにしたのが、タバコン・リゾート。水着を着て、それぞれ好きな場所の、小川に入る。水温は38-40度、流れているので、やや熱く感じる。この小川の温水を引いたプールが10箇所ほど。プールの中には、バーもある。日本では、ちょっと考えられない贅沢な、露天風呂である。
フォルトナのアレナル・ビスタはアレナル火山を正面に望む滞在型のロッジ。僕の部屋は山の中腹の二軒長屋。女子学生二人組と小生が、元気組なので、一番上の部屋迄山登り。その代わり景色は最高。名も知れぬ鳥達が、歓迎の挨拶をしてくれる。
でも、このロッジ、シャワーはあるが、お湯が出ない。仕方なく、ちょっと冷たいが、水浴びをして、夕食に出かけたら、皆さんがお湯が出ないといって騒いでいた。現地ガイドが、ホテルに掛け合っているのだが、全く埒があかない。話から推察すると、ロッジのシャワーは、お湯の栓を開くと、それを水流計が感知して、瞬間湯沸器のスイッチが入り、お湯が供給されるシステムらしい。しかし、上のほうのロッジでは、水圧が低く、水の供給がチョロチョロなので、瞬間湯沸かし器のスイッチが入らない。また、仮にスイッチが入ったとしても、水流が弱まれば、瞬間湯沸器の過熱を防ぐための安全装置が働いて、スイッチが切れる。このシステム、エネルギー節約のための、なかなか良いシステムである。でも、どうやら先進国のエンジニアが、「公共水道の水圧は、変わらない」という前提で設計したのではないかと思う。今は乾季、水圧も低くなっているのであろう。問題解決のためには、水圧を一定に保つための補助ポンプをつけてやればいい。この推論、現地ガイドに伝えたところ、彼が得意げに、ロッジの担当者に伝えていたようである。でも、乾季に来る日本人客のためにだけ、補助ポンプの投資を考えるかどうかは、疑問である。現地の気温からすれば、水シャワーでも十分なのだから。

3)カニーニョネグロ保護区
2月11日は、フォルトナ近郊のカニーニョネグロ保護区まで日帰り遠足。川舟で岸の動物達を観察する趣向。でもガッカリなのは、この保護区は川の両岸50−100メートルくらいだけ。あとは牧場地帯が広がっている。箱庭の中のジャングルである。 それでも、水上を走るみどりのトカゲ、日向ぼっこをする小さなカイマン鰐、樹上で昼寝をしているホエザル。餌を求めて移動する白い顔のサルの群れ、など面白いものを見た。
途中のトイレ休憩のレストランの裏庭には、陸イグアナが住んでいる木があったり、ガソリンスタンドの脇には、怠け者の住む木もあった。人家の近くには天敵が少ないのだとか。

4)トルトグェーロ保護区
トルトグェーロへ行くには、水路しかない。道路の終点から30人乗りくらいの平底船に乗る。カリブ海と平行に走っている水路は、両岸を熱帯雨林に囲まれて、なかなか素晴らしい。
今まで晴天続きだったのに、雨が降り始めた。ロッジについた頃には、かなり激しい雨。観光はウミガメ博物館と付近の村。雨の中のお出かけは遠慮して、ロッジで休むことにした。これは大正解。雨音を聞きながら、ベッドに寝そべり、外を眺める。このロッジは、虫除けの網が張ってあるだけで、ガラス戸はないので、風が通り抜けてゆく。湿度は120%、通り抜けてゆく風に霧が混じる。机の上に置いた紙が、瞬く間に湿る。屋根はトタン張り、雨音と風音がすごい。熱帯雨林の雰囲気を十分に堪能する。今回の旅で、最も素晴らしかった瞬間である。


5)終わりに
北アメリカと、南アメリカはまったく別の大陸。それが、火山活動の結果、二つの大陸の間の島が繋がって、大陸を結ぶ道が出来た。コスタリカは火山国で地震国。カリブ海と太平洋に挟まれた、中央高地を持つ地形は、日本海と太平洋に挟まれた中央高地を持つ日本と、どこか似ている。伊豆から海嶺をたどると、小笠原諸島に着く。同じように、コスタリカから海嶺をたどると、ガラパゴス諸島に着く。今回の旅行は、小笠原の海を見てから、伊豆の海に行くようなもので、ガラパゴス諸島を楽しんだあとでは、コスタリカは箱庭に思えてしょうがない。
まあこんな国が、中米にあるということを知ったのは、収穫だが、お勧めの旅行先とは言いがたい。動物は遠くからしか見れないないし、植物は園芸種が多い。近くで鳥や動物が見られたガラパゴスとは格段の差である。
コスタリカが、非武装中立国であることは始めて知った。でも、法律的には、憲法9条の方が、より完全な戦争放棄だという。この国が軍隊を廃止したのは、軍隊によるクーデターを防ぐためとか。なるほど卓見である。
旅行写真
寄生蘭
寄生蘭

No.1
酸素マスク
酸素マスク

No.2
コロンの花
コロンの花

No.3
下から見た巨大羊歯
下から見た巨大羊歯

No.4
上から見た巨大羊歯
上から見た巨大羊歯

No.5
チーナ
チーナ

No.6
スカイウォーク
スカイウォーク

No.7
アレナル火山
アレナル火山

No.8
岸辺の森
岸辺の森

No.9
水上を走る蜥蜴
水上を走る蜥蜴

No.10
カイマン鰐
カイマン鰐

No.11
寄生蘭に占領された木...
寄生蘭に占領された木...

No.12
ジャングル・ロッジ
ジャングル・ロッジ

No.13
岸辺の花
岸辺の花

No.14
不思議な石器の球
不思議な石器の球

No.15