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サイだサイ
サイだサイ

タイトル  サイだサイ
目的地 アフリカ・中東 > ケニア > ナクル
場所 ナクル湖
時期 1998 年 9 月
種類 景色
コメント イエローアカシアの森に入る。
木々の間を移動するキリンの集団があった。爪から膝あたりまで白いロスチャイルドキリンだ。
このキリンは本来ナクルには生息しない。外国からの「輸入物」である。
この公園には絶滅寸前の保護を目的として輸入された動物が他にもいる。シロサイである。
「サイがいたっ!」Hが叫ぶ。めがねをかけてるHだが、たいていなんでも一番に発見する。
樹林帯を抜けるとすぐ、シロサイがいたのである。
フランクの車は久方ぶりに喧騒に包まれた。
「サイだ。サイなら」パトリックが洒落をいう。
彼のタイマーはあと20分くらいだ(笑)。
「下手なシャレうるサイ。シャラップ!」となぜか私はMに言い、続けてこう言った。
「でも、このサイってば、輸入物なんだよね(笑)」
「いいじゃん、別に。見れたんだから!」冷たくSが言い放つ。
彼女の動物に対する思いの低さを垣間見せられた気がした。
それに、私が君に話しかけたことはアンボセリ道中以外、ないんですけど(笑)。
 ナクルの湖面が近づくころ、今度は「虹よ」とHははんなり叫んだ。
その直前、ライオンのメスがシマウマの一団を草むらから静かに追いつづけているのを「追って」いたのだ。Hの声に、振り返ると山と山を跨ぐように虹がかかっていた。
そしてHはまた発見した。虹のうえに、二重に虹がかかっていたのだ。
ゆっくりと、ナクル湖に近づきつつある。

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