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カメルーン 民家のアヒル
カメルーン 民家のアヒル

タイトル  カメルーン 民家のアヒル
目的地 アフリカ・中東 > その他の国・地域 > その他の都市
場所 カメルーン
時期 2001 年 2 月
種類 景色
コメント セネガルカッコウは鳴いてはいなかったが、たしかに平穏で平和で美しい調べの朝だった。
この岩山はルムシキィのシンボルであり、ジビ山と名づけられ、この辺りをルムスキィ・ピークと呼ばれている。
カプシキ地方の多く点在し、そびえる単峰の岩山は西欧人ロッククライマーたちの格好の場所であるらしい。
 しばらくルムスキィのシンボルを眺めていたが、やがて厭きてホテルに帰ることにした。
今日も歩くのがとてもつらい一日になりそうだ。今日はこのあと、この村の散策の予定なのだ。
ホテルの門をくぐる直前、あいかわらずついて来る少年にズボンのポケットにあった飴をあげた。
「ボンボン、ブラザー、シスター」礼を言うどころか甘えて、さらに要求してくる。
「もうない!」
「じゃあ、ペンもくれ。学校へ行ってもペンがないから勉強できない・・・・・」
「ペン?ないない」
「ミスター・・・・・そのポケットにあるよ」
「え?」
自分で気づかなかったのだが、メモ書き用のペンをそのまま胸ポケットにさして散歩していたようだ。
もしかして少年はこのペンをあざとく見つけて、まとわりついてきたのかもしれない。
「これはアタシの旅の日記用。大切な一本しかないっ!」
「それならペンシルはないかい?」
「ペンシルはないよ」
「違うよ、ミスター。ミスターの国のあなたの家に帰るとあるはずだ。学校へ行ってもペンもペンシルもないから勉強ができない」
少年は半ベソでアタシに訴えかける、拙い英語で(それでもアタシよりかは数段流暢な英語で)。
「ミスター、その紙に僕の住所を書くから、送ってくれないか?」
ペンと同じく、日記用のカバーの手帳ではなく、メモ書き用のメモ帳がたしかに胸ポケットにある。
アタシは少年の根気に折れて、別にカメルーンくんだりまでやってきたご縁とはいえ、エンピツを送るつもりもなかったが、ささやかな友情のつもりで、長女から奪ってきた(笑)キティちゃんのメモ帳を彼に渡した。彼は、アタシから嬉々としてペンとメモ帳を受け取り、スラスラと住所と名前を書いてアタシに返した。名を―フェリ・フォリ・マジリ―という。
「では、もうホテルに帰るから、今日学校へは何時?」
「7時だよ。ミスター、出発は?」
「え〜〜と、6時半だよ、バスでね。じゃあ」
もう会うことはないし、ここは一期一会の出会い、快く手を振って別れた。

 そして、6時半―――。
二人はホテルの前でお互い罰悪く、バッタリ顔を合わせた。

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